Br peroxidase

貝紫色素

貝紫染め

貝紫は貝から得られる紫色の色素であり、昆虫由来の赤色色素コチニール、カーマインと並び数少ない動物性の色素です。この貝紫色素は、紀元前1600年以前の古代ギリシャ時代か利用されており、中米のインディオでは現在でも細々と利用され続けています。

貝紫は6,6’-二臭化インディゴの構造をとっており、前駆体である臭化インドール誘導体が日光と酸素にさらされることで縮合して形成されます。しかし、この臭化インドール誘導体の生合成過程は、現在明らかになっていません。

我々は貝紫の生合成過程の全貌を明らかにすることを目的として、この過程に関与していると考えられているブロモペルオキシダーゼ(BPO)を対象に研究を行っています。

ブロモペルオキシダーゼ(BPO)

アカニシガイ

ブロモペルオキシダーゼはハロペルオキシダーゼ(HPO)の一種であり、海藻類・微生物・カビなどが持つことが分かっています。

BPOは有機化合物のハロゲン化を触媒する酵素であり、貝紫の生合成過程において、前駆体であるインドール誘導体に臭素を付加する役割を担っていると考えられています。これまでの研究から、貝のBPOは鰓下腺とよばれる内臓組織中に存在することが分かっていますが、未だBPOの単離はされていません。

そこで我々は、貝のもつBPOの単離、およびそのキャラクタリゼーションに向けて研究を進めています。